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新潟の地域資源をASEANへ ライブコマースで挑む地方創生

新潟の地域資源をASEANへ ライブコマースで挑む地方創生

新潟の魅力をASEANへ ライブコマース事業が始動

新潟の地域資源を東南アジア諸国連合(ASEAN)の消費者に届けようと、新潟市の中央映画社、にいがたAIビジネス、シンガポールのVERZETRONが連携し、地方創生型のライブコマース事業を開始した。2026年10月30日に新潟市内で発表されたこの取り組みは、地域の高付加価値な商品やサービスを、映像配信とデジタル技術を通じて海外へ展開するものだ。

目指すのは、単に商品を海外の通販サイトに並べることではない。生産者や事業者が持つ技術、土地の風土、商品が生まれた背景までを伝え、現地の反応を確かめながら販路とブランドを育てていく。国内市場の縮小が課題となるなか、新潟の事業者が海外の顧客と直接つながる新しい選択肢として注目される。

三社の専門性を結び、販売まで一貫支援

事業では、中央映画社が全体の運営統括と映像制作・配信を担う。にいがたAIビジネスは県内事業者の開拓や経営・販売面のコンサルティングを担当し、VERZETRONはASEAN市場向けのマーケティング、AIを用いたデータ分析などを支援する。映像、地域企業支援、現地市場の知見を組み合わせ、商品選びから販売戦略までを一体で進める体制だ。

事業の基盤となるのは、ライブコマース機能を備えたプラットフォーム「Doki×Doki.com」。参加を希望する事業者へのヒアリングを通じて商品やサービスを選び、現地のニーズ調査やテスト販売を行う。得られた反応を品質や見せ方、価格、販売方法の改善につなげ、その後、各事業者のASEAN向け専用ECサイトの構築を目指す。

ライブ配信で「商品の背景」まで伝える

ライブコマースの強みは、映像を見せるだけでなく、配信者が商品の特徴を実演し、視聴者の質問にその場で応じられることだ。食品なら味や使い方、工芸品なら素材や制作工程、サービスなら利用場面を具体的に紹介できる。説明文だけでは伝わりにくい地域ならではの価値を、双方向のやりとりによって届けることが期待される。

配信はライブに限らず、録画映像やSNSとの連携にも対応する。販売形態も、商品の物販に加え、会員向けに技術やコンテンツを提供する会費制、定期配送や継続サービスに適したサブスクリプションを想定している。地域の事業者は、自社の商品特性や顧客との関係に合った方法を選びやすくなる。

「新潟の団体戦」で地域ブランドを育てる

この事業が掲げるもう一つの柱は、参加企業同士の連携だ。個別の商品の販売にとどまらず、事業者の枠を越えて新たな商品やサービスを企画・開発する構想がある。複数の企業が力を合わせることで、新潟の食、ものづくり、文化などを組み合わせた独自の提案が生まれ、地域全体のブランド形成にもつながり得る。

一方、海外展開には、現地の嗜好や商習慣、価格帯、物流、表示・規制への対応など、確認すべき課題もある。テスト販売やデータ分析は、こうした不確実性を抑え、実際の需要に沿って改善するための重要な工程となる。配信で関心を集めるだけでなく、購入後の満足度や継続利用まで見据えた運営が求められる。

まずは新潟から始め、将来的には他地域への展開も視野に入れる。地域資源を海外へ届ける仕組みが、事業者の収益力や継続性を支え、地域に新たな仕事と連携を生み出せるか。ライブコマースを起点にした「新潟の団体戦」は、地方創生と海外市場開拓を結びつける試みとして、これからの実績が問われる。